Kurt Vile - Wakin on a Pretty Day
車窓を流れていく風景を見ている。乾いた荒野がいつまでも途切れることがない。間延びした昼が午後の時間を歪める。鉄塔の影が追いかけてきて、風向きが変わって遠くの岩肌がかすみ出す。
煙草の煙が太陽の光の中に溶けていく。溜息をついても、口から出てそこにとどまり続けるようだ。僕は溜息に話しかける。「やあ、元気かい?」
溜息は照れながら答える「いや、特にどうということはないよ。おたくこそ元気なのかい?」
僕はもう一つの溜息をついてから答える「いや、まあまあだよ」
「そうかい」
「まあね」
「・・・」
特に溜息と会話したい気分でもない。
車窓の風景は流れる。荒野が終わって海が視界に広がる。
ツバメが飛んでいる。彼の影をじっと追いかける。午後の時間はまだ終わらない。