北回帰線、ビール、となかい

音楽とビール、たまに夢うつつ

Sigur Ros - Olsen Olsen

金曜日の深夜。家族も寝静まって一人ヘッドホンをしながらこの曲を聴いている。

ベースラインのテケテケテケというメロディーが心地いい。

今は夏だけど、この映像のように寒い夜に野外で聴けたら最高だろうな。

夜空に吸い込まれていくようなヨンシーの歌声。

僕もこのまま週末に溶けていくことにしよう。

 

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mogwai - come on die young

流れ始めた瞬間に、それをよく聴いていた当時の記憶がフラッシュバックする曲が、誰にでもいくつかあると思う。僕にとって、この曲はそのうちの一つ。

 

季節は冬。当時は通勤のときに、いつもこのアルバムを聴いていた。自転車で走ると、冬の朝の風が顔を刺し、耳がきりきりと冷えたものだった。あれからもう10年は経つんだなと思うと、長かったような、そうでもなかったような、不思議な気分になる。

 

現在は転勤して海外に住んでおり、今は今でいろいろ忙しく、また当時は当時で自分なりに必死に生きていたような気がする。あんまり余裕はなかったかもしれない。

 

しかし、あのときの通勤時間に、このアルバムを何度も聴いていたことが、こうして今の記憶に温かく残っているわけだ。あの会社までの道のりは、孤独で、だが豊かな時間だったと思う。そう考えると、人生って案外なんでもないようなことでしあわせになれるんだなと、最近しみじみと思う。

 

 

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Arthur Russell — Soon-To-Be Innocent Fun

今まで聞いたこともない音楽。遠い昔に自分がした独り言が勝手にメソメソと歩き始め、放っておくわけにもおかず、そいつに付き合っているような感覚。音楽が終わってもどこにもたどり着かないし、たどり着く必要もない。自分を再確認して、また歩き始めるだけだ。

 

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Charlie Haden & Hank Jones-Danny Boy

心温まる音楽ってこういうことをいうんだろうな。ピアノとベースだけのシンプルな演奏なのに、音のすきまからも豊かな響きがあふれ出す。

ピアノが高らかにメロディーを歌い上げて、ベースが下から「よっこらせ」と支える。そのバランスが絶妙。

 

一日の仕事が終わり、夕食をとり、お酒も少し飲んで、あとはお風呂に入って寝るだけという、祝福の時間。この曲を聞けば、いつでもその時間に潜り込める。適度に疲れた体に沁み渡る音楽。

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Daft Punk - The Game of Love

深夜の高速道路でノロノロ運転しながら聴きたい曲。今は車持っていないから無理だけど。

 

リズムがとにかくかっこいい。コツコツしたスネアとぷりぷりしたベース、そこにヴォコーダーの効いたヴォーカルが乗っかる。

 

今はほとんど聞かないけど、深夜ラジオでこういう曲が流れてきたら素敵だろうなと思う。ジェットストリーム、あなたとわたしの夢の旅。

 

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Radiohead - Motion Picture Soundtrack

昨日からの流れで引き続きRadiohead。

この曲は「アイ・オリジンズ」という映画のラストで使われていたので、自分の中ではその印象が強く、曲を聴くとあのラストシーンが頭のなかで蘇る。

 

瞳から繋がる遠い記憶。

 

記憶に残る音楽というのは、人類に共通する遠い記憶の欠片のようなものなのではないか、と思うことがある。

めまぐるしく通り過ぎる現実のあれこれと、変わらない遠い記憶。

抱えきれないほどのそれらを両脇に抱えて、日々は移ろっていく。

 

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Radiohead - Daydreaming

一日の終りにワインの栓を開ける。蝋燭の火がゆらゆら。

カーテンに瓶の影が映って、夜風が吹き込んで笑いかける。

 

眠気がつんと頭から背中に降りてくる。

 

さっきまで静かだった冷蔵庫がぶんと唸りだす。夜の何処かで人々が騒いでいる。車がクラクションを鳴らしている。

 

ああ、やっぱり今日はもう寝よう。世界に蓋をしよう。

窓を閉めて、鍵をかけて、火を消した。ワインは空かなかった。

 

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